尾岡さんのケアマネお仕事ノート

ケアマネお仕事備忘録。守秘義務違反にならない範囲でね。

大阪の震災に寄せて

被害にあわれた方、被災された方、またご家族、知人の皆さんは気が気でないと思いますが、これ以上何もないことを、ただただ祈りながら。


災害は、福祉・医療から考えると、目を背けられない――いや、むしろその非常時のことも想定しないといけない、と思っています。

 

 

僕らの街も、数年前は大雨豪雨による土砂災害があり、それもひどかった。
当時僕は入院病棟の介護職員だったのですが、当時停電から電力使用していた酸素はストップ。外来(クリニック)から酸素ボンベを出したり、といったことをしていたのを今でも思い出すのです。

 

 

この土砂災害の時に、災害弱者たる高齢者さんへのアプローチを、警察、消防、医療機関とともに地域包括支援センターがしていたことを今でも覚えています。かくいう福祉施設も緊急入所や、入浴施設の開放など、それぞれでできることを展開していきました。ただ、そこは機能的とは言えず、災害後、防災対策を県、市、医療機関、福祉、社会福祉協議会等で一体的に対応するような仕組みが作られています。(即効性ある対応ができるかどうかは、また別問題としてね)

 

 

そんなことを思い返しながら、今回の大阪震災の翌日のラジオで、
こんな言葉がリスナーから投げかけられていました。


在宅酸素療法を家族が使用しています。
今回のような災害があった時、
病院で入院をせてもらえないかとと相談をしたところ、
有事では、重要度が高い患者さんが優先になるので、
難しいかもしれないと言われました。
共助、互助の力で備えていただきたい
でも実際、どうすればいいのでしょうか?

 


これ、本当に切実だと思います。
自家発電の導入を、という声もありましたが、
発電機なんて高額なものを、おいそれ購入できるわけがない。

災害弱者と言われる方は、
経済的に弱者である可能性も高いのだと思います。

 

今できることというのは、実際に災害になった時に
どういう対応を地域として、とるのか。
地域に、どういう障がいを持たれている方がいて、
どういう手立てがあるのか。

 

場所によっては、企業が有事の際は、発電機を貸してくれたということもあったようです。

 

声をあげてもらう。
そういう声があることを知る。
それって、本当に大事で。


これからの時代、地域の中で自分らしく生きることが、大きなテーマで。
要介護者を増やさない、元気な高齢者を増やす、要介護状態を予防する手立てということが、大きく声をあげられています。
もちろん、給付の制限も、大きなテーマですけどね。

 

地域ケア会議も頻繁に開催をされるようになりました。
でも、介護・予防を必要とする高齢者さんだけではなく、
こういう災害弱者の方のための地域ケア会議を行ってもらって、
地域課題をクローズアップさせてもらえたらと思うのです。

 

これからは介護保険制度と障がい制度が、連携を密にしていかないと絵毛ない、と言われてますからね。
要介護者である高齢者さんを支援するケアマネジャーたる僕らは、
情報をいかにして、必要な場所へ、必要な量を出していくのか。

 

そこは、大きな課題があるし、
地域の中での困りごとを、炙り出していくことも
これからも考えていかないといけない部分だと思っています。